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ジャーナリスト&編集者が語る プロフェッショナルたちの「BMW Life」 第5回・モータージャーナリスト 菰田潔

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世界有数の自動車大国である日本では、毎年数限りない新型車たちがリリースされます。
それら新型車にいち早く試乗し、魅力や特徴をユーザーやファンに紹介する役割を担っているのが自動車ジャーナリストや自動車専門メディアの編集者の皆さんです。連載形式で展開するこのコーナーでは、そうした方々の中でBMWを愛用している、もしくは愛用していた経験のある方々から、BMWと暮らすことの楽しさや、より深くBMWの魅力を味わうためにBMW Serviceをどう活用すればよいか、といったノウハウを伝授していただきます。

第5回・モーター・ジャーナリスト菰田潔のBMW Life

本業はモータージャーナリストなので筆者個人のクルマは持たないが、ワイフ用として1988年の320iから始まりBMWを7台乗り継いでいる。我が家としては30年のお付き合いになる。ワイフ用なのでいつもエントリーモデルを買うが、新しいBMWが来るたびにその進化に驚くことが多い。
いつの時代もBMWはキーに凝っている。最近はリモート・コントロール・キーと呼ぶが、この小さな箱に多彩な機能が詰まっている。
中央のBMWマークを押すとドアロックし、そのまま長押しするとドアミラーが畳まれ、開いている窓ガラスを(サンルーフも含めて)閉めることができる。目的地に着いてクルマから降りたら、誰かが窓を開けたままにしているのに気づいたとき、そのままロックボタンを長押しすれば済むから便利だ。
キーの端にあるアンロック・ボタンは、一度押すと解錠と同時にドアミラーが開く。そのまま長押ししていれば窓もサンルーフも開けることができる。夏場の炎天下に駐車したとき、クルマに近づきながら全部の窓ガラスを開けることで熱気をいち早く外に出すことができるから、熱い時期はよく使っている。
納車のときにスペアキーの他にリモート・コントロール・キーが2個ついてくる。夫婦で2台のクルマを使うなら、奥さん用と分けて使うと便利だ。どちらのリモート・コントロールで開けたか、クルマ自身が判別できるので、旦那さん用で開けたら旦那さんのシートポジション(電動のみ)、ミラーの位置、ナビの設定、オーディオの設定、オートエアコンの設定、プログラマブルボタンの設定などが旦那さん用になり、奥さんのリモート・コントロールで開けたらそれらが奥さん用になる。奥さんが買い物で乗ったあとに旦那さんが乗る場合でも、いちいちシート調整をしなくても済む。アンロックしてドアを開けるとシートが自動的に動いているのが見えるだろう。筆者は瞬間燃費などを直感的にわかりやすくするために、燃費の単位をiDriveでドイツ式の“l/100km”に切り替えて使っているが、ワイフが使うときには日本では一般的な“km/l”で表示してくれる。

クルマを定期点検に出す場合にもキーが活躍する。ディーラーのサービスフロントに行ってキーを渡すだけで、車種、色、登録日などだけでなく、現在の走行距離、オイル交換の時期、ブレーキパッドの摩耗具合、あるいは整備が必要な不具合箇所もキーリーダーで読み取ってくれるから、通常なら何も説明する必要がない。買ったディーラーの系列ならオーナーの名前もわかる。フロントマンがクルマまで見に行かなくても、メカニックに何の整備をするか指示を出せるので時間のロスもない。

BMW独自のシステム
「キーリーダー」を詳しく知る

最近はコネクテッド・ドライブが標準で装備されるようになった。受話器こそないが初めから電話が1台ついているようなものだ。長らく乗らずにいて、バッテリーが上がりそうになり再始動できなくなる可能性があるときには、担当のディーラーにクルマから連絡が入り、ディーラーからオーナーに知らせてくれるサービスもできる。もしエアバッグが展開するような事故が起こった場合には、クルマからセンターに自動的に通報され、その場所に救急車を手配するなどの処置をしてくれるという。
BMWは「駆けぬける歓び」を追求するだけでなく、このように走りに直接関係ないことにも力を注いでくれているのが嬉しい。乗り換えるたびにその充実ぶりを体験できる。
永年BMWに乗っていると、その走りの良さが当たり前になってしまうが、娘が運転免許証を手にしたその日、ワイフのBMWで近所にドライブに行った。すると娘は「教習所のクルマと違って運転しやすい!」と感激していた。どう運転しやすいのか尋ねたら「アクセルを踏むと思い通り加速して、ブレーキはギュッと踏まなくても始めから効いてくれて、ハンドルを切るとちゃんと曲がってくれるから」と答えた。
こうした基本性能は、ビギナーに優しいだけでなく、雪道など滑りやすい路面を走るときにはドライバーに安心感を与える。FRは雪道に弱いという人がいるが、筆者はここ30年BMWで毎年雪の山道を、スタッドレスタイヤを履いただけで走破している。トランクにはタイヤチェーンを積んでいるが、一度も使ったことはない。そして雪道は単に走れるだけでなく、ドライバーの意思どおりに走れるから楽しいのだ。
「駆けぬける歓び」というのは単にスポーティに走るだけではない。基本はドライバーの思いどおりに操りやすいということなのだ。それはビギナーが乗ったときでも感じられる運転のしやすさでもあり、滑りやすい路面を走るときにも扱いやすいから、安全だし楽しく乗れる。
何年乗っていても、何台乗り継いでも、BMWが持つ機能や味付けに飽きることはないから、これからも乗り継いでいくことになるだろう。

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Profile:

菰田潔
Kiyoshi Komoda

1950年神奈川県生まれ
学生時代に始めた自動車レースをきっかけにタイヤのテストドライバーになり、後にフリーランスのモータージャーナリストに転身。

著書
クルマの運転術(絶賛販売中)
BMWの運転テクニック
ドライビングの常識・非常識
脱・常識運転のすすめ
など

肩書き
日本自動車ジャーナリスト協会・会長
日本カー・オブ・ザ・イヤー・選考委員
JAF交通安全・環境委員会・委員
BMWドライビング・エクスペリエンス・チーフインストラクター
ジャパン・スマート・ドライバー機構・副理事長
全国道路標識・標示業協会・理事
など