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園田哲也さん BMWマイスターコンテストでトップでいる理由。

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毎年開催される、マイスターの技術力を測る「 BMWマイスターコンテスト」。Shonan BMW 大和支店に勤める園田哲也さんは、ここで10年間トップにいる。その秘訣は、園田さんの仕事に対する独自の姿勢にあった。

完璧のさらに上、200%のクオリティを志す

機械を触ることが大好きで工業系の大学に進み、卒業した後、園田さんがShonan BMWに入社したのは1997年。大学入学当初は航空、あるいは宇宙関係の職に就くことを志していたが、大学でクルマの仕組みを学び、面白さを感じていたのに加えて、BMWマイスター制度にも興味がわいたのがきっかけとなり、入社を決心したという。

現在、170名ほどいるマイスターも当時は20~30名で、今よりもさらに特別な存在だった。難易度が高いことへのチャレンジや新しい知識を得ることに喜びを感じるという園田さんにとって、まず、その狭き門への到達が仕事のモチベーションになった。

「今は職位が上の人が下の人に教え、昇格を応援するのが当たり前になっていますが、私が入社した頃は、日々、掃除や雑用ばかりで整備に携わることさえ、ままなりませんでした。そのため、先輩の作業を見たり、積極的に質問をしたり、洗車をしながら構造を覚えました。自分から積極的に学ばなければ、前に進むことができなかったのです」

園田さんがマイスターとして勤務する、Shonan BMW 大和支店。神奈川県の中央部に位置し、小田急江ノ島線高座渋谷駅から徒歩7分で、国道246号や東名高速横浜町田インターチェンジに近い、アクセスに恵まれた環境にある。

地道な努力を続け、園田さんがマイスターの称号を得たのは入社から5~6年ほど経った後のこと。スムーズにいけば4年でマイスターになれるそうだが、聞けば、一度試験に落ちてしまい、1年に一回しかチャンスがないため、取得までその分時間がかかってしまったという。

試験の内容を簡単に説明すると、限られた時間のなかでクルマに設定された不具合を探し当て、適切な処置を施し復旧するというものだ。その短い時間で味わう緊張感は、普段の仕事とはまったくの別次元にいるようだと園田さんは話す。

「どんなクルマや問題が出てくるかは、試験本番にならないとわからない。加えて短時間と制限のある時間なので、仕事を100%こなせるくらいのレベルじゃ足りないのです。あらゆる車種のすべてを理解して、完璧のさらに上、200%くらいを志さなくてはならないということを、試験に落ちたことで痛感させられましたね」

忙しい通常業務の合間をみて、ひたすらテスターをチェックして1日を過ごす。トップを取り続けていても、現状に納得がいっていないそうで、学習に余念がない様子だ。 コンテストがあるたびに反省してばかり。勉強すべきことはまだまだあります」。

園田さんが着用している、“BMW MEISTER”の刺繍が施されたつなぎ。

テクニシャンの存在理由は、クルマをベストな状態に整備すること

こちらにも記した通り、マイスターになると、BMW正規ディーラーに勤めている限り、その位は落ちることも上がることもない。しかし、クルマはすぐに進歩するため、マイスターはそれに対しても常に理解を深めておく必要がある。

「入社した頃は、3、5、7シリーズしかなく、モデルチェンジも8年サイクルでした。それが今となっては、シリーズ展開が倍以上に増え、iブランドも追加され、マイナーチェンジに3年、フルモデルチェンジに6年くらいとサイクルが短くなってきている。そのスピードに対応していくことは確かに大変ですが、それよりも、次々と生まれてくる技術の進化を知り、追求する楽しさの方が勝るんですよ。パソコンのオペレーティングシステムのように、バージョンアップすると、基本は一緒なのですが、レイアウトや表には顔を出さない中身の細かな部分が大きく変わる。新型が届く度に、変わった部分を隅から隅まで見るようにしています」

園田さんが好きなBMWのモデルはフラッグシップの7シリーズ。最新技術が一挙に搭載されたフルモデルチェンジ後の姿を見ると、毎回、驚かされるのだという。

園田さんは、東京を除く関東圏のBMW正規ディーラーに所属する、次期テクニシャン候補向けに開催されるコンテストで、社内教育の代表を務めている。人材育成に積極的で、これまで多くのマイスターを輩出した。

先のコメントこそ、園田さんがBMWマイスターコンテストで10年間トップにいられる理由だといえる。BMWに触れ、学ぶことが楽しいというピュアな想いが入社当時から変わらず、仕事という意識を超越しているのである。

さらに、園田さんは テクニシャンはお客様以上に、クルマのためにいる」と話す。

「例えば、獣医さんは飼い主さんのためではなく、動物の命を守ることを一番の目的にしていると思うんですよね。私も同じ気持ちなのです。クルマをきちんと愛でてあげて、ベストな状態にまで整備すれば、自ずとお客様にとっての歓び、すなわち快適な乗り心地を保つことができる。これが、私がポリシーとしていることです」

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photograph=Ryo Kawanishi
text=Yusuke Osumi