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ジャーナリスト&編集者が語る プロフェッショナルたちの「BMW Life」 第3回・編集長、クリエイティブ・ディレクター 松尾健太郎

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世界有数の自動車大国である日本では、毎年数限りない新型車たちがリリースされます。
それら新型車にいち早く試乗し、魅力や特徴をユーザーやファンに紹介する役割を担っているのが自動車ジャーナリストや自動車専門メディアの編集者の皆さんです。連載形式で展開するこのコーナーでは、そうした方々の中でBMWを愛用している、もしくは愛用していた経験のある方々から、BMWと暮らすことの楽しさや、より深くBMWの魅力を味わうためにBMW Serviceをどう活用すればよいか、といったノウハウを伝授していただきます。

第3回・編集長、クリエイティブ・ディレクター 松尾健太郎のBMW Life

私の愛車はBMW 320d ツーリングである。このクルマを選んだのは、ある意味、消去法によるものだった。私のクルマ選びの選択肢はとても限られている。その条件は、こうだ。

1「全幅1800mm、全高1550mm以内であること」

自宅および勤務先の駐車場が立体式で、全幅1800mm、全高1550mm以上のクルマは駐車できないのだから、どうしようもない。これは昔の立体式駐車場の規定値なのだ。

BMW3シリーズの全幅は1800mmジャスト。日本仕様は、ドアハンドルの形状を変えることによってこの数値を達成したという。同クラスのライバルたちは皆1800オーバーになってしまったから、3シリーズの存在は貴重だ。FRなのでハンドルの切れがよく、駐車そのものがしやすいのも大きなアドバンテージである。

都内では、全幅1800mm以内のクルマだと、利用できる駐車場がぐっと増える。昨今、都心の駐車場の値上がりっぷりはあきれるほどだが、古い機械式だと、他より安いことが多い。毎日クルマで都内を駆けずり回っている私にとって、安い駐車場を探すことは、至上命題だ。

2「ラゲッジスペースが広いこと。愛犬および、そのケージが積み込めること」

犬を飼っている方は、愛犬を連れてクルマで出かけることも多いだろう。よく見かけるのは、同じキャビンのなかに、犬も一緒に乗せている人。あれは安全上よろしくない。犬が運転の邪魔をしないとも限らないし、万一の事故の際に、シートベルトができない犬は、大けがをしてしまうだろう。犬はラゲッジスペースにケージを積んで、そこに入れておくのが正解である。前項の全高1550mmと併せて勘案すると、チョイスはツーリングしかない。

スタイリッシュなツーリングは、リヤ・ウィンドーが大きく傾斜していて、荷物が積めないことが多いが、BMW 320d ツーリングのリヤ・ウィンドーはあまり傾斜しておらず、ラゲッジスペースは広々としている。だからより大きなケージが積み込め、お犬様も満足である(たぶん)。電動式のテールゲートは力強く作動し、途中で止まってしまうことがない。リヤ・ウィンドーのみ開くことができるのも、ちょっとした荷物を取り出すのに便利である。

3「ランニングコストが安いこと」

とにかくどこへ行くにもクルマで、年間2万キロ以上走るから、燃費のよさは最重要課題である。以前は、某社の2.5ℓ V6ガソリン・エンジンを積んだクルマに乗っていた。ハイオク指定だったので、一回の給油で1万円程度の出費は覚悟しなければならなかった。そこからクリーン・ディーゼル・エンジンのBMW 320d ツーリングに乗り替えて驚嘆した。満タンにして、6000円ほど。ガソリンスタンドへ行く回数も、半分とは言わないけれど、3分の2以下に減った。

クリーン・ディーゼル・エンジン特有の音や振動は、まったく気にならない。むしろ高速道路などでは、ランフラットタイヤ特有の「ゴー」というノイズのほうが耳障りなほどだ。クリーン・ディーゼルにさえ、ドライブモード・セレクターが付いているのが、実にBMWらしい。「SPORT」モードを選べば、下手なガソリン車顔負けの活発さを見せる。

4「不具合がないこと。そしてしっかりとしたディーラー網があること」

仕事関係もすべてクルマで回るから、私がクルマに求める最大の条件は「不具合がないこと」である。実際にクルマが突然止まってしまい、大切なアポイントやミーティングを逃した苦い経験もある。そして万一不具合が発生した時に、近くに正規ディーラーがあって、すぐに整備できることも重要だ。BMWの純正ナビには、BMWの拠点が自動的に表示されるようになっているのだが、「こんなにたくさん」と思えるほど、BMWのネットワークはキメ細かい。実に心強く思う。

私のBMW 320d ツーリングについていえば、ここ数年の間、どこかがトラブったことは一度もない。けれど私の日頃の行いが悪いのか、渋滞中、後ろからすり抜けようとしたオートバイに、サイドミラーを壊されたことがある。そこで近くの正規ディーラーのサービス工場へ駆け込んだわけだが、そこの応対がとてもよかった。サイドミラーはあらぬ方向へ折れ曲がっており、交換を覚悟していたのだが、担当のサービス・アドバイザーはその場でいろいろと工夫してくれて、部品交換なしに修理を済ませることができた。しかもその間、逐一状況を報告してくれた。

ブランドによっては、エンジニアと顧客を、直接接触させないようにしているところもある。しかしBMWは逆だ。技術サービスを提供するテクニシャンと顧客の対話が大切だと考えている。テクニシャンと心ゆくまで話せるし、どういう整備が必要で、その理由が何なのかを説明してくれる。こういうマンツーマンの触れ合いが、オーナーとしては嬉しい。昔の町工場のノリに似ている。当たり前だが、すべてのクルマ好きは、セールスマンではなく、同じクルマ好きと話をしたいのだ。

正規ディーラーに電話をして名前を告げると、オペレーターがすぐにクルマの種類と今までの整備履歴を把握してくれるのもいい。当該部署に電話を回されてから、担当者に再度イチから事情を説明するのはうんざりだ。しかしBMWの正規ディーラーでは、顧客と車両の情報はすべて共有されていて、そういうことは起こらない。

昨年からは、スマートフォンのアプリを使った「アクシデント・アシスタンス」のサービスも始まった。これは予めアプリに個人情報などを入力しておけば、事故の際にボタン一つで、現場の位置をはじめ、さまざまな情報を自動的に伝えることができ、迅速な事故処理ができるというもの。事故直後はパニックに陥りがちだから、便利なシステムだと思う。私もさっそくダウンロードしてみた。BMWサービスの魅力は、町工場的なフレンドリーさと、大手ブランドならではの先進のシステムが共存しているところにある。

以上、4つの条件を満たすクルマは、いまだにBMW 320d ツーリングしかない。私はほぼ2年おきにクルマを買い替えてきたので、そろそろ新しいクルマに食指が動く頃なのだが、条件を鑑みると、どうしても“次の一手”が見つからない。しかも毎日運転していて、いまだに楽しい。

消去法で選んだクルマではあったが、いまや積極的に手許に置いておきたい一台なのだ。BMWサービスの皆さんには、もうしばらくお世話になることになりそうである。

車高制限1550mmの勤務先の駐車場にて。偶然にも同じホワイトの320dが、上下に2台並んでいる。私の愛車は下の方。

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Profile:

松尾健太郎
Kentaro Matsuo

「THE RAKE」 日本版編集長、クリエイティブ・ディレクター
1965年、東京生まれ。中央大学文学部仏文科卒業。男子専科、ワールドフォトプレスを経て、世界文化社入社。「Men’s Ex」創刊に携わり、クラシコ・イタリア、本格靴などのブームを牽引。2005 年同誌編集長に就任。平行して「時計&眼鏡Begin」編集長、「M.E.特別編集シリーズ」編集長などを歴任。その後、新潮社 「ENGINE」クリエイティブ・ディレクターを経て、現在、インターナショナル・ラグジュアリー誌「THE RAKE」日本版編集長。