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ディーラーで購入できるピュアレーシングカー “BMW M2 CS Racing” キーマンたちが語る、その可能性と熱き想い[前編]

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2021年6月、BMW M2 CS Racingが発表された。BMW M2 CS Racingとは、BMW M社とBMW Motorsportが共同開発したサーキット走行専用のレーシングカーだ。しかもBMW M Motorsportディーラー、モトーレン東都を通じて一般のお客様が購入することができる。まさしく、カスタマーレーシングカーの登場だ。
BMW M2 CS Racingの背景やポテンシャル、そして今後の可能性について4人のキーマンが語る。

BMW Mに受け継がれるモータースポーツのDNA

最初に語っていただくのは、BMW Mマネージャー レナート・ニグマン氏だ。ニグマン氏は、マーケティングからアフターセールス、ドイツ本国M社とのやりとりなど国内でのBMW Mブランドのすべての動きに関わっているという。ニグマン氏は、流暢な日本語でBMW MとBMW M2 CS Racingについて熱く語り始めた。

「M社は来年50周年を迎えます。BMWは50年前にモータースポーツに参戦するための子会社としてM社を創業し、最初はBMW M1の開発からスタートしました。その後M3やM5が開発されて、今ではM2・M3・M4・M5・M8といった多くの純粋なMモデルが存在します。それだけではなくM340・M235iなどもすべてM社の商品となっています。ハイパフォーマンスなMモデルはすべてM社が設計し、BMWが生産しています。」

BMW M2 CS Racingで見えてくる
モータースポーツの世界

「モータースポーツは、M社にとって非常に重要な役割を果たしています。しかし、M4 GT4やM6 GT3でレースの世界に入るのはあまりにも本格的すぎて壁が高い。つまり市販車のBMW M4とレーシングカーのBMW M4 GT4の間にはギャップがありました。M2 CS Racingはそのギャップを埋めるために開発されたのです。
BMW M 社のモータースポーツのイメージを強化しながら、M2やM3、M4を乗っておられるお客様が次のレベルを楽しみたいならば、M2 CS Racingに乗っていただく。理想的なピラミッドの基礎をつくるという意味で、BMW M2 CS RacingはM社にとって非常に重要なモデルとなっています。」

BMW M社認定BMW M Motorsportディーラーの誕生

「たとえば国内メーカーのレース専用車両の場合、コミュニケーションやメンテナンスに問題はありません。しかし輸入ブランドのカスタマーレーシングカーとなると、コミュニケーションやパーツ供給のやり取りも大変です。
今回モトーレン東都がアジア初のBMW M Motorsportディーラーとなったのも、それが理由の一つになっています。BMW GROUP JAPANや本国のモータースポーツ部門と直接やりとりする必要はなく、ディーラーとのやりとりに変えていけばより気軽に安心して手に入れて走らせることができます。モトーレン東都と協力しながらM2 CS Racingの販売に挑むことは、私たちとっても完全に新しい試みとなっています。」

サーキット専用ピュアレーシングカー
BMW M2 CS Racing

BMW M2 CS Racingがドイツ本国で発表された途端に、ディーラー経由でお客様からの問い合わせをいただいたという。「日本でいつ購入できるのか」ということに加えて、いちばん多い質問は「M2 CS Racingは一般道でも走られますか。ナンバー付けられますか」というものだった。もちろんサーキット専用なので、ナンバーを付けることも公道を走ることもできない。ただそれ以上に、このマシンはモータースポーツの大きな可能性を秘めている。

「普通にナンバーのついた車に乗ってサーキットまで行って帰ってくれば、積載車なども必要ないですが、サーキットのパフォーマンスでは限界があります。BMW M2 CS Racingを検討した結果、ナンバー付きでは目指しているパフォーマンスが実現できない。だから、思いっきりサーキット専用の車両を作りました。」

たしかにBMW M2 CS Racingを見ていくと、外観はもちろんレーシングシートと頑丈なロールケージの室内を見る限り、とてもじゃないが、公道ではオーバースペックだ。しかし、サーキットを走ることだけを考えると、すべての装備がたまらなく魅力的に思えてくる。

「ステアリングやオンボードコンピューター周辺は世界中のレースを戦っているBMW M4 GT4のものをそのまま採用しています。しかしランニングコストや修理するコストを考えてM2 CS Racingではカーボン製のパーツをあえてスチールなどに置き換えたりしています。パーツはモトーレン東都だけではなく、全国のBMWディーラーで手に入るというのも、BMW M2 CS Racingならではの新しい魅力です。」

最後に、ニグマン氏が思い描くBMW M2 CS Racingの魅力やこれからのオーナー像について尋ねてみた。

「狙っているのは基本的にBMWの商品、M社のクルマを楽しんでいただくことです。今のM3・M4・M5などに乗ってる方には、サーキット走行を楽しむ方も多いのですが、そこで少し物足りないなと思ったらここに次の魅力が待っている。スリックタイヤのレーシングカーに乗る感覚は全然違いますし、それはまた新しい歓びが待っています。それにBMW Mも含めて輸入車のハイパフォーマンスカーを考えると、それほど高額ではありません。4〜5人の仲間でシェアすれば、サーキット走行やレースなどもより安全に楽しく走ることができます。今後はBMW M2 CS Racingに触れていただける機会を増やしていきますので、ぜひ体験していただいて、そこで新しい憧れを感じていただければと思います。」

国内唯一のBMW M Motorsportディーラー
モトーレン東都

BMW M2 CS Racingの販売を手がけるのは、日本初のBMW M Motorsportディーラーに認定されたモトーレン東都だ。BMW Team Studieとともにモータースポーツ活動に取り組み、スーパーGT選手権ではBMW M6 GT3を走らせるBMW Team Studie × CSLをスポンサードしている。

そのモトーレン東都で、新たにBMW M Motorsportディレクターとなった小川秀一氏にBMW M2 CS Racingを販売していく可能性について語っていただいた。

「モトーレン東都がモータースポーツに参加するきっかけは、BMW Team Studie鈴木監督との出会いです。鈴木監督のパーソナリティーや拡散力、さらにTeam Studieがアジアで唯一のBMW公認レーシングチームということもあり、何か相乗効果が生まれるかもしれないとい気持ちはありました。モトーレン東都のブランディングや、将来的にモータースポーツファンが増えていって、その中心にモトーレン東都がいればいいなと、そういったイメージが強かったですね。」

実際にBMW Team Studieのスポンサードを始めてからは、スポーツモデルを選ばれるお客様には非常に話がしやすくなったという。Mモデルでのサーキットイベントやサーキット走行会を10年以上継続して開催してきたバックボーンがあって、モトーレン東都はBMWのレーシングカーを販売できる国内唯一のBMW M Motorsportディーラーに認定されたのだ。

誰もがBMW M2 CS Racingのカスタマーになれる

小川氏が考えるBMW M2 CS Racingのカスタマーには、3タイプのプロファイルが考えられるという。

「ひとつは、走行会など、ナンバー付き、ナンバーなし含めて、サーキットで遊ばれているお客様。そういったお客さまが、コアなユーザーにはなってくるかなと思います。次に、これから始めようというお客さまですね。バーチャルサーキットやプロのインストラクターから学ばれて、将来的にはサーキットで走ってみたいと考えているお客さまです。もうひとつは、ある程度プロ的なチームで、レース専用車両を使いたいと考えるチームや団体。この3つのタイプかなと思っています。」

実際に市販車でサーキット練習をするお客様がいても、その次のステップが難しいという。だからこそ、BMW M Motorsportディーラーとしてモータースポーツ活動をサポートをしていきたいと語る。

「いちばん大切にしていきたいなと思っているのは、興味はあるけれども、どうすれば良いか分からないというお客さまです。それこそ、レーシングカーってどこに預ければいいの? どこでメンテナンスすればいいの? どこで買えばいいの?というお客さまに対して、私たちがサーキットへの導線を引いてあげる。その役割が、われわれの今後のミッションになっていくのだと考えています。」

レーシングカーをBMWディーラーで
購入できるというメリット

「BMW M2 CS Racingは市販のM2 CSがベースになっていますので、メンテナンスもしやすく、専用パーツも全国のディーラーで取り扱いをします。しかも分かりやすい価格設定です。もうひとつのメリットは、私たちディーラーが販売することの安心感です。直接お客さまに日本語で説明をして、実際に車を見ていただいて、ご納得いただいて販売ができるというところです。さらにBMW Team Studieをはじめ、サーキット関係者との非常に強いつながりがありますので、これから活動をしたいお客さまに、さまざまなアドバイスができると思っています。」

後編では、Team Studieの鈴木BOB康昭氏、BMW GROUP JAPANの高橋昌志氏の
インタビューをお届けします。ご期待ください。

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