モータースポーツこそがMの原点、BMW M Performance Partsの魅力とは何か。[前編]
モータースポーツこそが、BMW Mブランドの原点。そしてBMW純正アクセサリーであるBMW M Performance Partsには、モータースポーツで培われた技術とコンセプトが継承されている。
今回は、国内最高峰ツーリングカーレース、スーパーGT選手権に「BMW Team Studie×CSL」としてBMW M6 GT3で参戦するStudieの鈴木BOB康昭氏とレースエンジニアの方々とともに、BMW各モデルのパフォーマンス、デザイン、クオリティを高めてくれるM Performance Partsの魅力と実力に迫る。
レースからフィードバックされたエアロダイナミクス・デザイン
M Performance Partsには、本当にレースで培われた技術がフィードバックされているのだろうか? この疑問について、BMW M6 GT3やBMW M2 CS Racingをはじめ、これまで数多くのBMW Mモデルでレースに参戦してきた鈴木氏にストレートに尋ねてみた。
「フィードバックされているのは、まずレースで培ったエアロダイナミクス・デザインですね。空力性能が向上するデザインでなくてはいけない。それがもっともフィードバックできる開発現場がモータースポーツになります。要するに、M Performance Partsのパーツのデザインというのは、見た目だけではなくて、きちんと空力的に意味がある。そのパーツを装着することによってダウンフォースが強くなったり、空力パーツとしての効用が存在しています。その開発をする最前線の現場がレースということです。
もう一つマテリアルがあります。たとえばM Performance Partsのカーボンは、本当に重量が軽くて、剛性がものすごく高い。きちんとオートクレープで焼かれたカーボンパーツです。カーボンといっても、もっと重くて弱いものもありますし、見た目では分からない。でも、M Performance Parts のカーボンは、本当にモータースポーツの最前線で使っている最軽量で剛性が最も高いカーボンが使われています。」
パフォーマンスを実感できる、M Performance Parts
さらに、市販と同じM Performance Partsが、実際にレースマシンでも使われているのか? またそのパフォーマンスは実感できるのかについて、尋ねてみた。
「たとえばBMW M2 CS Racingのオプションパーツ。フロント・ボンネット、フロント・リップスポイラー、フロント・フェンダーパネル。これらは全部カーボン製のオプションですが、すべて市販のM Performance Partsそのままです。BMW M4 GT4でも、ボンネットや外板など一部はM Performance Partsを使っています。」
「サーキット走行をするときにM Performance Partsのリップスポイラーやカナードが付いていると、確実に違いを実感できますね。コーナーに入るときのステアリングに対する応答性も変わるし、安定しています。もちろん、ボンネットやフェンダーをカーボンにすると、それだけで30Kg~40Kg軽くなります。コーナーで振り回したときにいちばんGのかかるところの重量が軽くなるので、ブレーキもそうですし、加速もそうですし、当然、旋回もそうですが、すべてでメリットがある形になります。M Performance Partsの鍛造アロイホイールも変わりますね。少なく見積もってもホイールで2Kg変われば、車重が6Kg軽くなるのと同じと言われています。4本ですから、24Kg車重が軽くなったのと同じ体感ができます。」
M Performance Partsはドレスアップではなく、空力性能の変化を実感できるという鈴木氏。さらに「それこそがMブランドの根幹であって、それでなければ、Mブランドのキャラクターが変わってしまいます。」と、力強く語ってくれた。